〜タケダワイナリーのホットな裏話を毎回楽しくお伝えします〜
菅井由美子さんはタケダワイナリーの葡萄収穫をはじめ、ワイナリーでいろんな仕事を経験した山形市在住の主婦です。子育てをしながらワイナリーの今の様子をレポートタッチでお伝えします。
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大雪を辛抱、春よ来い
 

 山形の大雪が全国ニュースで流れた冬でした。しかも珍しいことに山形市が。例年は、県内でも豪雪地帯である最上地方や置賜地方の映像を見て私達も慄くのですが。やあ参りましたよ。市街地での大雪は、雪をかたづける場所もなく街中マヒ状態。特に2月2日の降り方は酷く、1時間に10cmのペースで降り続けあっという間に町全体が雪に埋もれていきました。至る所で自動車がつっぱえって大渋滞。車がスタックすることを山形弁で“つっぱえる”と言います。

 農業への影響も大きく、ハウスの倒壊や果樹が折れるなど深刻な被害が出ています。そんな中、当ワイナリーには全国からお見舞いの言葉が寄せられました。ありがとうございます。

 そんな冬の一大作戦は“サラドコギ”です。自社畑で棚作りなのはベリーAとブラック・クィーンですが、樹に積った雪をほったらかすと重みで潰れてしまう為、雪を落とさなくてはなりません。

 全く除雪していないまっさら、真白な雪の畑に踏み入り、上を向き棒で棚を叩いて行きます。「雪の更地をこぐ(歩く)」様子から“更地漕ぎ”と呼ぶのではないかと思われます。(私はもちろん当のスタッフもタケダ以外では聞かない言葉)今シーズンは2月10日までに3回も行いました。10人のスタッフが約2haの急斜面で格闘、午前中で何とか終わします。「膝はカクカク腰から下はだるくて、午後の仕事が大変になる。」そうです。「今年は気温が低く、雪がサラサラと軽かったから比較的楽だったけどね。」

 岸平社長によるとサラドコギの回数が多かった年は葡萄の出来が良く「当たり年」になりやすい。1シーズンに3回は新記録だそうです。期待しちゃいますね。

 いつもより寒く雪も多い冬だからこそ出来る事もある。やはり冬期の重要な仕事のひとつ“キュベ・ヨシコ”の澱引きは、気温が低い方がやり易い。「もうひとつ今年のニュースとしては」と社長がこんな話をしてくれました。

 「豊作だった2011年収穫ベリーAが良いワインになったので、“蔵王スター赤”の一部を樽に入れて冬越ししてみました。初の試みです。これがね、どうなっているか楽しみなんだ。」いいですねぇ。

 厳しかった冬の後に訪れる春は、また格別です。今年は桜の開花も遅れそうだと気象台が予想しています。でも、輝く春は、必ずやって来るのです。


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