今年の気象には大変な苦労をされている方も多いかと思います。
心よりお見舞い申し上げます。
滝のような雨が降りつつ、盆までに28日間真夏日が続いた山形。
我が家の“猫の(額)家庭菜園”では、トウキビは半分しか実入らず、オクラは生長せずと惨敗です。
大葉だけは繁ったので、少量の醤油で漬込みおにぎりなどに活用しました。
タケダの葡萄はどうだろう。
心配しつつ訪ねました。
「4月も遅くに雪が降り、萌芽の頃に寒く、7月の長雨。
かつて経験したことがない年です。
7月になりすぐブドウに病気が出始めました。
防除が必要なのに雨が止まず手が打てない。
じりじりしながら待って、やっと7月17・18日に休日返上でボルドー液を散布しました。
社員の皆が自主的というか、むしろ積極的に出社してくれて一気に終わらせたのが良かった。
例年に比べ収量は少ないが、良い葡萄ができそうです。」
ボルドー液とは殺菌剤として使われる古典的な農薬の一種。
使用しても有機栽培の認定を受けることができる数少ない薬だそうだ。
葡萄が元気で安心しました。
「今年の夏は国際交流しちゃいましたよ。」と岸平社長。
ミャンマーの農業研修生を受け入れて、3週間一緒に作業をしました。
ミャンマーにはタイ、ラオスにまたがるケシの不法栽培地域がある。
『黄金の三角地帯』と呼ばれ、麻薬の生産拠点として知られているが、現在は国策で果樹などに転作が進められている。
研修生は、その葡萄園で働きワイン造りに挑んでいる農業者と通訳、22〜65歳の男性5人。
仙台市のNPO法人「アジア・ケシ転作支援機構」の招きで来日、縁あってタケダワイナリーでの研修となった。
苗木の植付け方や剪定、防除など社長とスタッフが指導をしながら、一緒に作業する。
「ウチでも新しく作付した畑があったので、実地研修するのにタイミングが良かった。」
上山温泉を宿にして毎日ワイナリーに通う。
「ミャンマーの方は穏やかでにこやかで、礼儀正しい人達でした。
骨身を惜しまず働いてねぇ。
作業の合間に歌が出たりして。
あれは日本の民謡のような作業歌かな。
本当に気持ちの良い方々でした。」とは岸平部長。
一緒に働いた仲間を懐かしむかのような表情で話してくれました。
タケダのスタッフ皆も仲良くなって、帰りは自家用車で滞在先のホテルに送って行くことも多かったとか。
「研修を終えて帰る時、彼らの国で最も丁寧な“感謝のご挨拶”を頂きました。
人手の要る忙しい時期に手伝ってもらい大変助かり、こちらがお礼を云いたいくらいでした。」
次はワイン造りを学び、母国の役に立ちたいとおっしゃっていたそうです。
ひと際暑い夏に、爽やかな風が吹きこんだタケダワイナリーの2010年・夏です。
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