〜タケダワイナリーのホットな裏話を毎回楽しくお伝えします〜
菅井由美子さんはタケダワイナリーの葡萄収穫をはじめ、ワイナリーでいろんな仕事を経験した山形市在住の主婦です。子育てをしながらワイナリーの今の様子をレポートタッチでお伝えします。
Vol.18【2006年秋号】 のMENUは・・・
■ 菅井由美子のワイナリーひとり探検隊
■ スタッフ紹介−阿部朋子(あべともこ) 氏−
■ こちらもご覧あれ。
■ 実りの秋に旬なワイン。

山形には珍しく、しとしと降り続く梅雨でした
今年はこれで終わりか、と悲しく思っておりました。ところが、8月になった途端、ガーと強い日射しと湿度の高い、山形のベタベタ夏です。いつもなら盆辺りから朝夕は涼しくなるのですが、今年は違います。盆を過ぎてから暑くて眠れません。ここに来て夏バテか。調子が狂います。
天候の遅れは作物の成長の遅れに繋がります。今年の葡萄は少し遅れ気味。8月下旬になっても、畑のシャルドネはいかにも硬い緑色をしていました。とはいえ。そろそろ畑の葡萄の分析を始める時期です。畑ごとに収穫、醸造しているタケダでは、その“畑”の成熟度を知るため、何箇所かランダムにサンプルを採り、酸、PH、と糖度を測定します。
「これは人に任せるわけにはいかない、私の仕事です。ほぼ毎日やります。」ワインメーカー典子氏(社長)は言います。「分析して出て来た数値は目安にすぎず、五感を使って葡萄を知ることが最も重要なのです。葡萄の軸の色、食べた時の皮の感じ、種の色・味。果汁だけでは収穫時期が判断出来ないのです。」
15ha(東京ドームの2.5倍の広さ)の自家農園の収穫は、スタッフ総出でも不可能です。無論、数種類の葡萄を一度には採りませんが、「この日が最良!」の決戦日に収穫を終え、搾る為に、毎年葡萄農家の方々に協力を頂いています。時にアルバイトも雇います。(数年前私もお世話になりました。)その手配を考えて、遅くとも5日前には『その日』を決定するそうです。「いつ収穫するのが、一番美味しいワインになるのか。台風の頃だから天気予報を睨みながらねぇ。悩むんですよ。収穫期によってワインになってからの成分に違いが出てくるんでね。」そんなに違ってきますか?「はい。全くキャラクターの違うワインになっちゃう。」こわいなぁ「誰かに相談できるワケもなく、胃が痛くなる事もありました。経験を重ねて来て、落ち着いて考える事が出来るようになったかな。」葡萄の分析は昔からやってるんですか?「私がワインを造るようになってからですね。初め父からは“不思議なコトをしている”と言われました。'80年代以降世界的な、ワインの技術革新の波が起きているんですよ。“伝統”を誇るボルドーだって造り方は変わってきています。各々シャトーに合った方法を取り入れ進化してるんですね。昔通りにやってれば良いだろうでは、フランスでも通じないのです。」
8月20日過ぎにデラウェアが入荷。『特別限定醸造』蔵王スターワインの仕込みを皮切りに、9月シャルドネ、10月マスカット・ベリーA、10月下旬メルローとカベルネ、11月の遅摘みのリースリングまで、ワイナリーでは気の抜けない毎日が続きます。でもそれは、収穫の喜びに満ち満ちて最も活気付くワイナリーの姿でもあるのです。「やっぱり良いですよこの頃は。畑の心配から開放されて、『あとは(ワインを)造るしかない』とハラを括れば前に進むだけです。」
ワイナリーを訪ねるならこの時期がお薦め。平日の午後だと、収穫してたの葡萄を搾っているかも。辺り一杯に漂う葡萄果汁の甘く、且つ青い香りがなんとも良いのです。


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