発泡酒いろいろ<2> |
また遅い雪がつもっています。 二月も半ばだというのに辺り一面銀世界。受験会場へ向かう人など、所要時間が読めずに難儀しておいででしょう。やがて来る春も、昨年同様一斉に花が咲き誇る、急ぎ足かもしれませんね。
タケダ発泡酒をめぐる探検。今回はその2回目。タケダ・ワインリスト筆頭「キュベ・ヨシコ」です。
『メソッド・トラディショネル』瓶内二次醗酵。仏シャンパーニュ地方で造られるシャンパンの製法がこれ。とても手間の掛かるものです。 |
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(1)ベースワインを造る。
白ワインとして商品化するものより酸が強く、香りも強いシャルドネを使用します。
(2)酵母を育てる。
発砲ワイン用の乾燥酵母を少量のベースワインに入れ、“酵母ワイン”を作ります。瓶内醗酵は、酵母にとって過酷な仕事です。アルコール、限られた酸素、10℃の低温という環境に耐えられる、強い酵母菌を1週間掛けて増やします。
(3)瓶内二次醗酵ワインを仕込む。
ベースワインに糖と酵母ワインを加え、タンクの中を軽く循環させます。均一に混ぜ合わせつつ、醗酵の為の酸素を入れたいからです。そして、すぐさまそれをシャンパン用瓶に詰め、王冠で栓をします。この(3)の工程は、一気に終わらせなくてはなりません。
(4)低温発酵させる。
酵母が活動可能なギリギリの気温摂氏10℃の部屋で、約半年〜10ヶ月間かけ醗酵させます。酵母がワイン中の糖を食べ、アルコールと二酸化炭素に分解するのが“醗酵”。瓶の中で逃げ場を失った気体は液中に溶け込み、これが気泡となります。ゆっくり時間をかけ醗酵させることによって、繊細な泡ができるのです。
(5)寝かせる。
醗酵が終わった酵母は、澱となって瓶内に沈殿します。この澱からも、旨味や香りが出るので、そのまま3年間、ワインを静かに寝かせます。飲んだ時パンのような香りがするのはその為です。
(6)澱引きをする。
“ピュピュトル”という特殊な板に、瓶口を下にして差し、1日1回90度ずつ回転させます。斜めに立てられた瓶は、1ヶ月後垂直になり、王冠の上に乗っかるように澱が集められます。いよいよ澱引き。瓶口を−25℃で瞬時に凍らせ栓を開けると、ポンッと王冠ごと澱が飛びます。瓶内の圧力で吹きこぼれた分のワインを足し入れ、コルク栓・ワイヤー栓をはめて出来上がり。味が落ち着くまで数ヶ月置き、やっと出荷できます。 |
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日本では、発砲ワインについて基準が無いので、フランスの規定で話しますと。『シャンパンはガス充填等ではなく、瓶内二次醗酵である事。
上記工程(3)から1年経てば販売可能。その際製造年号は入れない。ただし、澱と触れる期間を3年以上もったワインは、“ヴィンテージ・シャンパン”と呼ばれ一段上のワインとして扱われ、年号が入る。』
「澱引きの際、リキュールやブランデーを足すシャンパンが一般的ですが、何も足さないのは、”ノンドゼ“といって仏でもより高級とされます。
又、シャルドネ種100%のものは、“ブラン・ド・ブラン”で、これも高級品です。」じゃあ、キュベ・ヨシコは“ヴィンテージ・シャンパン”、“ノン・ドゼ”、“ブラン・ド・ブラン”と三拍子そろった高級発泡酒なのですね。今更ですが。「高価なお酒ですからね。自信を持って、誇りをかけて造っています。」
*キュベ・ヨシコ2003は、好評につき完売しました。次の発売は、2005年ものを来年6月に予定しております。
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