タケダワイナリーでは今年マスカット・ベリーAが豊作でした。天童市の協力農家の皆さんが豊作にしてくれました。気候の点では厳しい年だったそうです。
「花ぶるいといって開花の頃に寒くなったり、その後長雨によるベト病(カビ)が発生したりと気の抜けない年でした。手を掛けて育ててくれたのだと思います。」
その結果、質量ともに実り多き年になった。天童産のベリーAは『サン・スフル赤』の原料だ。実はこの季節、岸平社長には、毎年思っても叶わない事案があった。
社長 「赤ワインは完成品も勿論美味いけど、仕込み過程で非常に美味しいタイミングがある。それはロゼになった時です。」
どういう事でしょう?素人の私にも理解できるようお願いします。
社長 「まず基本から。ロゼワインの造り方は以下の3通り。」
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黒葡萄を丸ごと搾ると、果汁がピンク色になりそれを仕込む。
当社『アイスワインロゼ』がこのタイプ。 |
A |
白ワインと赤ワインのブレンド。仏国のシャンパーニュ[ロゼ]が代表的。 |
B |
赤ワインと同様に果汁と皮・種を一緒に仕込み、途中、赤になる前(ロゼの段階)で瓶に詰める。 |
「今回このBの方法で『サン・スフルロゼ』を造りました。」
社長 「赤ワインの発酵中の香りと味がとっても良くて、前々から『これうまいずねぇ』と醸造担当スタッフで盛り上がっていた。皆様にもこれを味わって欲しいなと思っていたのです。
しかし生産量の関係上、赤を減らしてロゼの製品化はできなかった。そんなところに吉報が。この豊作なら赤を減らさずともロゼが出来る!
社長 「ロゼとして一番おいしい点を探って造りました。」
社長が差し出した一本は、金色の王冠を被り華やかで愛らしい色の…アレ赤いぞ。
社長 「いや、間違いなくロゼです。うまいです。」
私の眼には赤く見えますが?
社長 「実はスタッフの中でも『赤過ぎるのじゃないか!?』という意見も出たんだけどね。」
複数のサンプルを用意しテイスティングした結果、満場一致で選ばれたのは、一番赤いロゼだった。理由はただひとつ「ウマイ!」―タケダワイナリーはそういう所だ。
“蔵人しか飲めなかったワイン”をこの冬皆さまにもお届けいたします。ぜひご賞味下さい。
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