〜タケダワイナリーのホットな裏話を毎回楽しくお伝えします〜
菅井由美子さんはタケダワイナリーの葡萄収穫をはじめ、ワイナリーでいろんな仕事を経験した山形市在住の主婦です。子育てをしながらワイナリーの今の様子をレポートタッチでお伝えします。
Vol.2【2002年8月号】 のMENUは・・・
■ ワイナリーひとり探検隊!(初夏の巻)
■ スタッフ紹介(武田良子取締役編)
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ワイナリーひとり探検隊! (初夏の巻)
「お暑うございます。」今年の夏の挨拶はこの一言に尽きます。いつまで続くのでしょうか、山形の連続真夏日が20日を越えました。
出産予定日を2日後に控えた6月26日。晴天に誘われ訪ねたら、キュベ・ヨシコの瓶詰め作業を見ることが出来ました。機械を使わない全くの手作業をこの日は6人で行っていました。
「今日は工場には入れません。外から見学して下さい。」いつもより少し張りつめた空気のなか、国産初のシャンパーニュ方式で造られた発砲ワインの瓶詰めは「んだら、はじめっかっす。」と、あくまで和やかにスタートしました。日本の発砲ワインには仏のシャンパーニュの様に厳しい規定は無く、普通の白ワインに炭酸ガスを充填したものが多いのですが、タケダのキュベ・ヨシコは専用に醸造した白ワイン(ベースワイン)にシャンパン用酵母と糖分を加えて瓶詰めにし“瓶内二次発酵”によって造られた本格派です。セラーマスター典子さんに訊いてみましょう。ワインに糖分を加えるのは何の為ですか?「瓶内で酵母が働いて発酵する訳ですが、それには糖分が必要です。」「??」「小学校の社会見学に来る子達には、酵母が糖分をエサとして食べてオナラをする。それが炭酸ガスとなり発砲ワインになると説明してます。」ああ!なるほど。私にも理解できます。「酵母はその後、死骸となって沈殿しますが、それが澱(オリ)です。」酵母入りの濁っているワインを瓶に詰め、変わった形の白いプラスチックのキャップをかぶせ王冠で蓋をします。このキャップはシャンパン専用の物で中央部に澱が溜まる造りになっていて、3年後に澱を除く際にはキャップを外しそれごと捨てます。キュベ・ヨシコは他のワインの葡萄に先駆け一足早く収穫されます。ちなみに、私も摘んだこのタンクの中の'01年シャルドネは8月下旬の収穫でした。作業の合間に食べてみたら創造より酸っぱく、糖度が高い方が良いワインになると単純に思い込んでいた私は、意外に思ったものです。「確かにある程度の糖度は必要ですが発砲ワインには酸味と香りが大切です。又、風味を損なわないよう白ワインに比べ圧搾は軽く行います。」広大な葡萄畑の中でキュベ・ヨシコ用の場所も決まっているそうです。醸造は樽を使用せずタンクで行います。余計な菌が入らない様如何にクリーンに瓶詰めまでもっていけるか。デリケートな味のワインは、デリケートに造られていました。

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