日増しに濃くなる木々の緑に励まされ、近頃、よく歩いています。
道端にニホンタンポポを見つけ、移り行く風の匂いを感じ、改めて思いました。山形は良いところです。
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タケダはこの時期、繁忙期に向け助走中といったところ。ワインメーカー岸平典子氏がお客様との触れ合いを求めて、外に出る仕事が出来るのも、2月から初夏の間です。ご存知の方もいると思いますが、例えばレストランや酒販店主催の『メーカーズディナー』。醸造家を招き、話しと共にワインと食事を楽しむ会です。五千円以下のカジュアルなものから、三万円台のフルコースと、様々なスタイルがあるそうです。「私が仕事に就いた頃は海外メーカーを招いての会がほとんどでした。近頃は、日本メーカー数社を呼んでの催し等もあり、時代は変わったと感じます。」(典子氏談)。これも先輩達の地道な努力の積み重ねがあったればこそ。「私が目指しているのは仏語で“ヴィニョロン”。畑の人を意味します。名家オーナーが城(シャトー)を経営しているボルドー地方と違い、ブルゴーニュは家族経営の小ワイナリーが集まる産地です。ここでは、葡萄栽培家が醸造家であり、瓶詰め、販売、配達まで行いますが、この人達を“ヴィニョロン”と呼ぶんです。」タケダでは、社員皆が“ヴィニョロン”であってほしいとの思いから、畑担当者もワイナリー見学の案内をし、営業部長も剪定鋏を握る。お客さまからは、「話に説得力がある。」と好評だ。また、お客さまの声を直に聞く事ができ、スタッフにも良い刺激になっている。
典子氏に、ディナーではどんな心持ちでお客さまに話すか聞いてみました。「まず心掛けているのは『わかり易さ』。ワインに詳しくない方でもイメージしやすいように、専門用語はなるべく使いません。それと、ほとんどが首都圏で開催されますので、都会では感じにくい季節を運んで行くつもりで出掛けます。」最近は女性の参加者が増えていて、積極的に質問をなさるそうです。“自然派ワインは農園から違うの?”、“発泡ワインに種類はあるの?”、etc…。「ユニークなところでは、“ベランダで葡萄を育てたいのだけど”との相談や、私のプライベートに関する質問もありますね。」
実は、高校・大学を通じて演劇部に所属していた典子氏。お客さまの反応を感じながら話しをするのは舞台に似ているとか。思いもよらない所で経験が活きている。人生、何でもやってみるものですねぇ。
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「お客さまの生の声に、大きな流れを感じます。『サン・スフル』は、この声がきっかけで生まれました。ワインを身近に感じてもらいたい。造り手と出会うことによって、タケダワインに愛着を持ってもらえたら嬉しいです。」
デパートの「日本ワインフェア」は蔵元が出向くことも多く、詳しい話を聞くチャンスです。お近くで機会がありましたら、足を運んでみて下さい。
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