〜タケダワイナリーのホットな裏話を毎回楽しくお伝えします〜
菅井由美子さんはタケダワイナリーの葡萄収穫をはじめ、ワイナリーでいろんな仕事を経験した山形市在住の主婦です。子育てをしながらワイナリーの今の様子をレポートタッチでお伝えします。
Vol.31【2009年冬号】 のMENUは・・・
■ 菅井由美子のワイナリーひとり探検隊
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“酸”あればこそ!

 今年もこの季節がやってまいりました。「おいしい冬」。食欲の秋と言いますが、寒い季節の魚や野菜の美味さはまた格別です。気のおけない仲間と鍋を囲めば、これぞ人生といった喜びも味わえます。
 
 「食事と一緒に楽しもうと思うとワインは難しいわ。」とおっしゃる方が少なくないようです。確かに、重厚なタイプのワイン(いわゆるフルボディタイプ)は淡い味わいの日本食には合わせにくいですね。極甘の、酸が極端に少ないタイプも同様。しかし、フレッシュな酸のしっかりしたワインなら、おでんや刺身にも実によく合うのです。繊細な味と香りに定評のある当ワイナリーのリストには、そんな和食ワインが揃っています。日本で育った醤油や野菜には、日本の土から生まれた葡萄で造ったワインが、やはり合うのでしょう。

 タケダワインを試飲して、「酸っぱい。」と思ったことはありませんか?この酸は、葡萄がもっているもので、ワインには大事なポイント。醸造家は、「葡萄の酸が落ちない」と表現するのだそうです。よい原料としての、ひとつの条件です。稀に、発酵による酸っぱさとお考えになる方がいらっしゃるようですが、そうではありません。健康な、良質の果実が持つ味であります。

 山形は、一日の寒暖差が大きい土地です。上山・山形・天童市を含む村山地方は、ぐるりと山に囲まれた盆地になっており、平地での米・野菜と、山の斜面を利用した果樹栽培が盛んです。山の夜は夏でも涼しく、薄物の長袖がほしくなります。日中は40℃近い気温になる日も少なくありませんから、それがどれ程のものか、おわかり頂けると思います。葡萄に限らず果物は、昼の暑さで糖度が高まります。同時に、実が元々持っている酸は減少していきますが、夜の寒さがそれを防いでくれるのです。充分に成熟し、酸が落ちる直前。葡萄のポテンシャルが頂点に達した時に、タケダワインの葡萄は収穫されます。

 この酸があればこそ、凛としたワインが出来るのです。
 とはいえ、そこは好みもございます。酸っぱいワインは得意じゃないという方。是非、和食と一緒に召し上がってみて下さい。ワイン単体で飲んだ時に強く感じた酸味が、すっきりと料理の味を引き立たせてくれます。

 ワインコーディネーターの友田晶子さんが、「サン・スフル赤」と鮨の組合せはお薦めとおっしゃいました。財政面の都合、私は刺身盛合わせにしましたが、これが本当によく合って。鱸、鮪、蛸、アオヤギ、どれも美味しく頂きました。大吟醸に近い感覚でイケますよ。日本酒に比べ、アルコール度が低いのもうれしいですね。以前、白ワインで赤貝を食べてしまった事があるのですが、生臭さが際立ってツライものでした。『魚は白、肉は赤』とは限らない。毎日の生活の中に、ワインを採り入れてどんどん楽しんで下さい。

 最も手軽に出来る惣菜を一つ。椎茸をアルミホイルで包み、オーブントースターで10〜15分焼いて出来上がり。お好みで塩・胡椒、または醤油をかけ、レモン汁数滴加えて召し上がれ。焼くときにグレープシードオイルを少量垂らしても美味しいです。「サン・スフル赤」で食せば、マジックがうまれます。

 


 




   


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