〜タケダワイナリーのホットな裏話を毎回楽しくお伝えします〜
菅井由美子さんはタケダワイナリーの葡萄収穫をはじめ、ワイナリーでいろんな仕事を経験した山形市在住の主婦です。子育てをしながらワイナリーの今の様子をレポートタッチでお伝えします。
Vol.12【2005年春号】 のMENUは・・・
■ ワイナリーひとり探検隊!
■ スタッフ紹介−稲毛寿子(いなげとしこ) 氏−
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「春休みも残りわずかだというのに、昨日は吹雪でした」
この冬は降り始めが遅く、1月中旬以降に雪が集中しました。蔵王に職場がある私は、冬用のもこもこコートがまだ手離せません。
さて。雪に閉ざされる北国のワイナリーでは、この期間、工場仕事が中心です。典子氏の舌が決めたワインのブレンド指示書に従い、工場中に広がる良い香りの中、樽空け・ワインの瓶詰めが行われるのです。ああ、何て幸せな香り。心はフラフラとそちらに引っ張られますが、積雪量の多かった今年は冬の畑についてお話しましょう。
日本でも海外でも雪の積もらない土地では、ワイナリーの冬仕事は葡萄の剪定だそうです。樹が休眠するこの季節が、最も適しているからです。そういえば、以前何かで読んだ事があります。仏の農家では切り落とした葡萄の枝で火をおこし、肉や野菜を焼いて食べるそうです。おいしそうだなあ。雪が降る前に、大急ぎで剪定するタケダでは「そんなひまは無いねえ」。枝はそのまま雪の下敷きに。呼ばれようと思ったのに、残念。では、雪国ならではのイベントってありますか?「それはサラドコギだな、やっぱり。」え?サラド?何?
漢字にするなら“更土”ではなかろうかと。どっかり雪が積もり、且つまだ誰も足を踏み入れていない所。雪の更地。「こぐ」は「扱ぐ」か。更土扱ぎ。除雪のなっていない所へ踏込んで行く様を言うらしい。方言だと思われるが、タケダ以外では「聞いた事がない。」とスタッフも口を揃える。山形県、北部の寒河江市方面で使うらしいが、どなたかご存知の方がいらしたらご連絡下さい。
さて、タケダの「更土扱ぎ」どはどんなものか。
棚作りの葡萄畑に大雪が積もると、重みで棚の支柱や針金がつぶれてしまう為、葡萄棚の雪降ろしをするんです。その時、畑は勿論そこに至る農道も全く除雪されていない。そこで更土扱ぎをしながら作業をするんですね。
今年は1月17日、膝上まで積もったトコロで更土扱ぎが発令されました。デッキブラシや幟のポール等各自好みの得物を手に、重ね着の上にカッパをすっぽりかぶり、首にはタオルを巻いて、怪しい一団は急な斜面に一列で入って行きます。先頭は「若くて大きい人」(除雪車の役ね)。棚の下に入り、枝をたたいたり木を揺すったりしながら雪を落として進みます。山の上にスライドしながら約2haの畑で格闘するのです。「うちで棚なのはマスカット・ベリーAとブラック・・クイーンだけだから、他の農家に比べたら少ないよ。」山形の葡萄農家は皆どこでもやっている事だそうです。
足跡の無い雪に入るのは、子供の頃の楽しみでした。田んぼに落下して人の形を付けたりね。大人になると人目もあってできません。少し羨ましい。更土扱ぎって、少しだけ大人の雪遊びみたいです。「皆でやると楽しくない事もないけど、余裕ないです。とにかく体力勝負ですから。」
9人で朝から午後3時まで掛かりました。「膝がカクカクになって、腰から下がだるくて。」後の仕事が大変になってしまうそうです。如何に重労働かが窺われます。今シーズンは1回でした。2年前は0回。当たり年の2001年は2回。今年の夏は、暑いかな。


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