暑い暑い夏がようやく終わり、実りの季節がやって来ました。それにしても、暑かったですね。洗濯した息子の柔道着が、分厚い襟さえ半日で乾く毎日。山形の夏でもあまり経験した事がありません。そんな中、蔵王山麓にあるタケダワイナリーを訪ねると、そこは爽やかな空気に包まれていました。いや、山形市の町中に比べればなのかもしれません。ちょうど居合わせた、他県からおいでになったお客さまが「いやぁ、山形ってこんなに暑いトコでしたっけ?」とおっしゃっていましたから。
今日の目的は、ワイナリーを見学なさるお客さまと同じコースをあるくこと。タケダでは4月〜11月の間、平日はもちろん、工場が休みの土・日曜日もワイナリーのご案内をしています。ただし、少ないスタッフが交代で行っていますのでお相手できるお客さまの組に限りがございます。事前の予約をお願いしています。また最近話題の“メーカーズ・ツアー”(責任者案内とでもいいますか)ではありません。畑の責任者と、醸造責任者と、会社責任者が同一人物の為、時間・空間的に大変難しいのです。どうか、ご理解頂きたいと思います。
という事で、本日案内して頂くのは斉藤さん。パートタイマーとしてお勤めの女性ですが、今やタケダのメイン案内役。話が丁寧でわかり易い、とお客さまにも好評だそうです。今日は宜しくお願い致します。
「では、畑の方から案内させて頂きます。当ワイナリーは1920年・大正9年より自家農園産葡萄を使ったワイン醸造を行っています。
現在は今目の前に見えますシャルドネ種など、15ヘクタールの自家農園で葡萄栽培をしています。その80%がこのような垣根仕立てといわれる畑です。」本社に隣接するシャルドネ畑を前に、下草がボウボウな理由と草刈の方法。畑作業でのポイントを当事者らしい視点で話してくれます。次は搾り。蔵王スター“特別限定醸造”の仕込みが始まっているとあって、2台の搾り機が待機中。「今日は日曜なので搾っていません。」
「これから地価セラーにご案内します。」シャッターを開け、地下へ続く坂を半分まで降りた時スーッと涼しくなりました。「空調は使っていませんが、夏・冬を通して一定の温度に保たれています。」手前のセラーには蔵王スターアイスワインが置いてある。「コルクの乾燥を防ぎワインを守る為、瓶は逆さに保管していると説明を入れる事もあります。私が不思議に思った事をお話しすると身近に感じて頂ける様で。」奥のセラーには入れませんが、樽熟成中のワインや樽について、色々教えてもらいました。
セラーを出て、瓶詰めラインを見せてもらい見学終了。
最後はショップに寄ってみて下さい。レフレール等タケダ・ラインナップを色々試飲の上、お気に入りを見つけて蔵出しワインを購入できます。ワイン関連小物や、洋画家の筆によるタケダの風景“ワインの里”絵葉書。オリジナルTシャツも置いてあります。「折角来て頂くお客さまの為に、もっと勉強してより良いご案内にしたいと思います。」専用スタッフのいない小メーカーの、素朴ながらも心を込めた案内です。秋の仕込みシーズンに、いらっしゃいませんか?
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