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〜タケダワイナリーのホットな裏話を毎回楽しくお伝えします〜
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菅井由美子さんはタケダワイナリーの葡萄収穫をはじめ、ワイナリーでいろんな仕事を経験した山形市在住の主婦です。子育てをしながらワイナリーの今の様子をレポートタッチでお伝えします。
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Vol.9【2004年秋号】 のMENUは・・・ |
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「2004年今年初の仕込み体験記」 |
じめじめ雨の無かった今夏は、病気が付く事もなく、葡萄は仲々に良い出来だそうです。八百屋の店先で、、秋の到来を告げるデラウェアはワイナリーでも一番に仕込まれます。
8月末、今年初の仕込みが行われました。主に上山市の農家から、良質の物を選び買い付けたデラウェアをこの日は10t。大型のドイツ製とスイス製の2台の圧搾機を使って搾ります。PM1:00晴天の下、皆首にタオルを巻き、前掛け、ゴム手袋、ゴム長靴で作業開始。機械等のセットをしつつ、保冷庫から葡萄のコンテナ(収穫箱)60コを積んだパレットをフォークリフトで運び出します。今日フォークリフトを操るのは社長です。「このドイツ製圧搾機はウチのIT君です。コンピューター制御になってるからね。」と言いながら、典子氏も気合いの入った顔になっています。搾るのは機械ですが、その前後は全て人の手です。社長、典子氏、スタッフ6人+ネコの手(私)の9名。本当はもっと欲しい所ですが、畑の摘房作業も平行して行われているので、この人数で頑張ります。 |
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@コンテナをのせる |
※圧搾機に向かう |
B取入口に空ける |
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@16kg入のコンテナをローラー式のコンベアに次々乗せる。Aそれを手押しで送り出し、B取入口に空ける。C空コンテナの片付け、D取入口の補助。1つのラインで少なくとも5人は必要です。ドドーと空けられた※葡萄は、まるで駅のエスカレーターに乗っている様にベルトコンベアで圧搾機に入れられます。振動で弾みながら昇っていくのが、スキップしているみたいです。熟した葡萄の甘い香りが辺り一面に。が、それを楽しむ余裕も無く、「ハイ、ハイ、ハイ。」と2拍子で仕事は進みます。私はAの担当でしたが、5〜6コンテナに1回、除茎後の出口に葡萄の茎が詰まるのをかき出すのも役目です。出口が少し離れている為、ラインからはずれなければなりません。もたもたしていると@担当の方が1人で16kg持ち上げた他に5〜6コンテナを押すことになります。ウォー急げぇと自分に気合を掛けつつ、皆さんのペースについていくのがやっと。本当にタケダ・スタッフって働き者だぁ。日頃ナマケモノの私は、開始から30分で、早くも肩の内側(腕の付け根)が張ってきました。明日は筋肉痛かも(明後日だったりして。)
非常に集中した時間で約1時間。今日予定の分はプレス機に入った。それにしても急いで作業するんですね。「出来る限り短時間で搾りたいんですよ。酸化を防ぐ為にもね。」搾ったジュースはすぐさま遠心分離機にかけられ、発酵タンクで2週間、ろ過後瓶詰めされます。蔵王スター「特別限定醸造ワイン」白として10月1日に発売されるそうです。
3時の休憩の後、3人が片付けに残り他のスタッフは畑作業に出掛けました。道具類も機械も念入りに水洗いし掃除。その間もIT君は動き続けザーっと搾り汁が出ています。葡萄の匂いと搾り汁のそれとは若干違います。甘いだけでなく、若いバナナの様な青い香りも混ざるのです。傾きかけた陽ざしがやわらぎ、時折さわやなか風も吹く中で、今年のワインがとても美味しくできますように祈るのでした。 |
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