2010.冬
タケダワイナリーが蔵元創業90周年目の節目。
気になるワインの出来具合も含めて、今年はどんな様子だったかを岸平社長に伺いました。
「今シーズンはいろいろと例年にないことばかりでした。まずは天候。遅い春の雪、夏の長雨そして猛暑と、かつて経験した事がなく葡萄の管理が大変でした。カレンダー上の作業日程は当てにならず、畑に足繁く通いよく観察して、いま葡萄が望んでいることは何だろうと考えました。見極めて決断し実行する。そんな連続でしたね。「葡萄を信じろ」を信念にワインを造ってきましたが、今回私が学んだのは「自分も信じろ」でした。十六年間の経験の蓄積が支えになりました。ワイン造りは技術もすごく大事です。今更ですが。」
(菅井注:笑いながら答えてくれましたが、秋頃はだいぶピリピリしていた様子でした。)
早めに手を打ったのが功を奏し、タケダの葡萄の品質は良く、特に黒ブドウ<ブラック・クイーン、マスカット・ベリーA、カベルネ・ソービニョン>は平年より良い出来だそうです。糖度など、分析結果は例年通りでしたが、色・香り・味のふくらみがとても良く、果実の”充実”ぶりが秀でていたとのこと。それは楽しみ!2010年収穫ワインが飲める日が待ち遠しいです。ただ収量は全体少なめで、ワイン生産量は少ないということでした。
畑に来る動物もいつもとは違った様子。
「うちには熊・猿は出ませんね。カモシカを見かけた時があるくらい。被害を受けて困っているのはムクドリです。鳥はシャルドネなどの白ブドウを好み、一番美味しい時期を知っている。収穫する前日に大軍団で食べに来る。今年は他に餌が無いのか、被害が大きかったです。あと畑によくいるのはキジとお蔵猫。今年はキジの親子連れが多かったなぁ。ミャンマーの研修生がキジをみて驚いていました。」
(注:お蔵猫とは、武田家の蔵下に勝手に住みついている猫。 広大な畑に各々テリトリーを持ち全く自由に暮らしている。 武田家同様何代にも亘る。 現在5匹くらい。)
NPO法人アジア・ケシ転作支援機構の招きで、夏に研修を受けたミャンマーの農業技術者に続き、醸造責任者が”仕込み”にあわせて来日。10月18日から11月8日の間、タケダワイナリーで頑張っておられた。プラント・マネージャーでもあるチョー・ヘンさん(55)は、日本語はできないが英語が堪能な方で、今回は通訳がついていない。醸造に関する細かい始動もあるなか、英語と仏語と日本語を駆使して岸平社長も頑張った。
では岸平社長から皆様にひとこと。
「葡萄を作ってくださる栽培家、タケダのスタッフ、販売店、そしてタケダワインを飲んでくださる皆さまに、あらためて感謝する一年でした。 これからも美味しいワイン造りに励んで参ります。 今年もありがとうございました。」




Winery通信 Vol.35

