2008.秋
ここはタケダワイナリーの畑です。
「ドメイヌタケダ マスカット・ベリーA 100% 古木」の材料になる葡萄を栽培しています。
社長・岸平典子氏の祖父が植えた、最も古い自社畑の一つ。
ワイナリーの東、道路を挟んだ所の急斜面に、広さ約1.5ha。
その七割が、樹齢70年の”じいちゃんの樹”です。
当時、果樹栽培をしながら、青果物商も手掛けていた祖父・武田重三郎は、葡萄の商品性に着目し、生食・加工どちらにも適した、マスカット・ベリーA種を植えました。
そして、大正9年、「武田食品工場」として『金星ブドー酒』発売。
現タケダワイナリー誕生です。

手前がマスカットベリーA畑、右奥はシャルドネ。中央奥がワイナリー
以来、長きに亘ってタケダで大切に栽培された樹は、いま、充実したとても良い実を着けてくれるようになりました。
幹は、まるで龍のような姿です。
「昔の畑は棚作りといって、日本ではお馴染みの形ですが、積雪の多い山形では、冬は雪の重みに耐え忍ばねばなりません。それで、この様に傾きつつ、曲がりくねった樹になりました。」
足元は雑草が大変元気よく、蚊がいっぱい。除草剤を使用せず、自然農法というのは、飲む人に優しく、畑作業者にはキビシイのです。盆休み明けに、草刈をするそうです。
今年のベリーAは、成長期に雨が少なかったお陰で、実が小さく水分が少なめ。なかなか良い出来とのこと。アレ?果汁が少ないのに良い出来なの?「余分な水がないのであって、果汁は濃く、しっかりした味になるの。」
順当であれば、10月中・下旬に収穫し、タンクで仕込み、発酵の終わる11月頃、樽に移して約1年間熟成させる。
「1年に1回しか出来ない剪定を、自分の手で行うようになり14年。やっと、その成果が現れ始めたところです。2007年収穫の”ベリーA古木”を9月末に樽空けします。祖父が植え、父の育てた葡萄が、どんな風に応えてくれているか、私自身とても楽しみにしています。」
この畑の葡萄は、「アッサンブラージュ」等にも使われるとの事でした。この畑の写真を眺めながら、”山形”を味わってみて下さい。

天翔る龍のような樹

身長113cmの子供と雑草。所によって埋もれる
Winery通信 Vol.26

