山形の県内に位置する、上山市。
山形盆地のおかげで過去に日本最高気温を記録したほど夏は暑く、かつ寒暖の差が激しく、降雨量も雪を除けば年間400mmから800mmと葡萄の栽培に適した気候風土です。

東南に面した斜面が多く日照条件が恵まれた立地にあります。もともとは火山灰の粘土質酸性土壌でぶどう栽培には適さない土質でしたが、長年の研究成果によって、土壌微生物の活発な活動を利用した有機的な方法による土壌改良を行い、柔らかく、水はけの良い、中性からアルカリ性でミネラルが豊富な土壌になっております。毎年の土壌採取と分析は、土壌を育てる重要な仕事になっています。

当社では、30年来、過剰な施肥を排除し、自然のサイクルを最大限活かした減農薬で、無化学肥料によるぶどう栽培をおこなっています。自然農法とという言葉は、四国の実践・篤農業家・福岡正信氏が提唱していることばです。

森の緑にはだれも手を加えないが、毎年充実した実がなり何百年も緑が続いている。

これを手本とし、自然の環境を自分達の畑で再現し、自然サイクルを確立するという考え方です。四代目重信がその考えに触発され、農地管理をしてきたので、あえて福岡氏の自然農法ということばを使っています。

また、ルドルフ・シュタイナーが提唱したビオディナミも取り入れています。月の運行に従い、収穫や仕込み、澱引き、瓶詰めなどの栽培から醸造の作業 はできるだけ、ビオディナミで使われる月の運行に従っています。

このように、近年増えてきている、濃縮器の利用やセニエなど”ハイテク”なものとは、全くアプローチの異なったワイン造りを探求しています。

最近では、農園には、畑の中にリス、野うさぎ、雉などの小動物がみられるようになり、ぶどう畑の中がより多種類な生態系になってきているのを実感しています。