5月6月は空梅雨かと思われるほど雨が少なく、それに伴い日照量が5月は平均値の120%、6月になると140%でした。また、気温も例年より少し高い日が続き、品種全般的に萌芽が例年より早めでしたが、十分な日照量を得て、順調な生育をしていました。
しかし、7月になり記録的な長雨と大雨(7月だけの降水量が386mm!!)に見舞われ、早生品種のヴェレーゾンを直撃しました。
特にデラウエア種が実割れ登熟不良などが見られ、苦戦を強いられ、醸造前の選果や醸造管理をかなりシビアに行う事で乗り切ることができました。シャープな酸が印象的で、香りもリッチというよりシャープでエレガントさが好印象のワインに仕上がりました。
シャルドネは7月後半がヴェレゾーン開始ぐらいにあたり少し影響を受けましたが、一転し8月9月は平均値の降水量が80%と少なく、従って日照量も例年より多くなり、シャルドネにとっては条件の良いヴェレゾーン後期を迎えることができました。果皮の香りも良く酸のはっきりしたものが収穫でき、香りが華やかでエレガントな印象が強いワインに仕上がりつつあります。
晩生種(黒ブドウ)は7月の悪影響を免れ、8月9月で順調な生育が見られたので、ベーリーA、メルロ、カベルネ・ソービニョンは例年通り種がしっかりと茶色になるまで登熟することができ、果皮の色つきも良く糖度酸度も申し分のないものが収穫できました。しかし、生育期7月の大雨の影響が少し感じられ、濃縮感というより、果実感や柔らかいアロマが印象的なワインに仕上がりそうです。
2014年4月現在