ワイナリー通信

シャトー・タケダ シャルドネは樽発酵である

Winery通信 SPRING Vol.87

令和6年能登半島地震により被災された皆様にお見舞いを申し上げます。全ての方が一日も早く平常な生活に戻られることを心よりお祈り申し上げます。

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 シャルドネ 工場前.jpg

 高級白ワイン用品種のシャルドネは栽培適地が広く、原産地といわれるフランスをはじめとした欧州、北南米、オーストラリア、アフリカ、そして日本と、世界中で作られています。産地によりワインの個性が異なり、酸の立つ凛々しい印象の寒冷地産、トロピカルで芳醇な温暖地産といったところでしょうか。当然、合う食材も変わり、飲み比べも楽しい品種だと思います。

 

今回リリースの『シャトー・タケダ シャルドネ 2020年収穫』はどうでしょう。岸平社長にお聞きします。

岸平「のびやかな葡萄を味わえる芳醇なワインです。」

以前、冷涼さの酸と熟した葡萄の旨味を得る為に、収穫を分けているとおっしゃっていましたね。

岸平「そうです。2020年は2段階に分けて収穫しました。」

シャルドネ2020.jpg樽発酵、その後樽熟成の造りが特徴のひとつです。

岸平「搾った果汁をタンクにひと晩だけ入れ、大きい澱を除いて木樽に移します。樽の栓をずらし、湧いてくる澱の出口を作り発酵させます。1週間くらいアクが吹き出るので、悪い菌が付かないように樽とその周辺の清掃は欠かせません。多い時は一日に3回程、樽の外側を水で洗い流しますが、樽の中へ水を入れない且つよごれを残さない事が肝要です。ちなみにこの樽洗浄に当たるのは、私と、醸造担当のひとり岸さんの二人だけです。」

単純ながら繊細な仕事なのですね。樽に種類はありますか。

岸平「いろいろあります。ウチで使っているのは仏国のオーク樽。同じ仏国でも地方によって特徴がある。実際に使ってみないと判らないし、結果が出るまで時間が掛かるからマッチする樽を見つけるのもひと仕事です。」

「一度使った樽を旧樽と言いますが、タケダワイナリーでは出来るだけ旧樽を使う様にしています。新樽だけでは樽香が前面に出てしまいますが、旧樽の場合は葡萄本来の果実感をしっかり受け止めながら、渾然とした奥行きも醸してくれるからです。しかし、木製品の樽を長く綺麗に使うのは結構難しいものです。衛生管理など、細心の注意を徹底的に払っていますよ。」

 大セラー09.jpg

 当初、日本の酒税法では認められていなかった樽発酵。税務署の酒税担当から国税局に掛け合い、認可を得て、造ることができるようになったそうです。

 そんなストーリーも一緒に、味わいたいと思います。

 

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著者プロフィール

菅井由美子(すがいゆみこ)
山形市在住/弊社社長、岸平の高校時代からの友人。成人から高校生の3人の子供の母親。葡萄収穫をはじめ、ワイナリーでのいろいろな仕事の経験がある。それを活かしつつ、タケダワイナリーの今の様子をレポートタッチでお伝えしています。