Winery通信 WINTER Vol.86
「今年は暑かった」と毎年言っていますが、今回は格別でした。連日、猛暑日が続きました。人も葡萄もくたびれましたね。
岸平「デラウェアは皮にしわができる高温障害がでました。生食用としては商品にならず、生産者の方たちは苦労したと思います。それでも、雨が少なかったから味は濃いんです。ベト病もなく、うちは良いものが収穫できました。」
「ベーリーAはちょっと難しかった。色づきが早くて、実の成熟が追いつかない。糖度が高くなりすぎるリスクも。高い糖度は、醸した際にアルコール度も増します。バランスが悪いワインになるんです。栽培や醸造で工夫してカバーしています。」
シャルドネはどうでしたか?
岸平「シャルドネは良いですよ。カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、ブラック・クイーンも良い出来です。」
2023年のワインが楽しみですね。ところで、ここまで暑いと畑作業は本当に大変でしょう。
岸平「猛暑が続いた時は、朝5時から始めて15時には上がるようにしました。スタッフは、徹底して日焼け防止をしています。長袖長ズボンはもちろん、サングラスをかける。空調服ファン付ベストと遮光日よけ付きの帽子は会社から支給しています。日焼けは体力消耗が著しく、パフォーマンスが落ちる。将来的にも、白内障や皮膚がんが心配されます。真黒日焼け=畑ガンバッテル印象かもしれませんが、プロほど対策をちゃんとしているものです。」
「むかし、天童の花輪さんのお父さんから叱られたことがあった。ちょっと作業するだけと思って手袋もせずに畑に行って、手を切っちゃった。お会いした時に絆創膏を貼っていたら、ひと言『素人じゃあんまいし』。甘く見ないでちゃんとしろと。仕事に差し障りがあるだろうと。恥ずかしかったなあ。」
常にベストな状態で仕事するのが玄人ですか。アイタタ急に耳が...。
菅井由美子(すがいゆみこ)
山形市在住/弊社社長、岸平の高校時代からの友人。成人から高校生の3人の子供の母親。葡萄収穫をはじめ、ワイナリーでのいろいろな仕事の経験がある。それを活かしつつ、タケダワイナリーの今の様子をレポートタッチでお伝えしています。